全国犯罪被害者の会(あすの会)第11回総会・シンポジウム記録 | 横浜No.1ソーシャルなプロモーションカンパニーをめざす!NUTSな奴のBlog。

全国犯罪被害者の会(あすの会)第11回総会・シンポジウム記録

【シンポジウムに参加して】
犯罪被害者給付金制度
http://www.npa.go.jp/higaisya/shien/kyufu/seido.htm
について、文字通りの認識はあったものの、それが被害者のみなさんにとって『意味のある給付』になっているかどうかの理解は、制度の文言を読んでいるだけで理解する事は難しいと感じました。
3年前、僕が被害者の声をはじめて聞いた時にびっくりしたのが、給付も含めた国の支援が足りない事でした。国の支援!というと、何から何まで国に依存するのは!という議論があるが、何の非もない方が被害者になってしまった時に、同じ社会・国に生き!生活をしている!そういう社会に依存する!ということは、依存や縋るのではなく、まさに社会や国としての責任ではないかと考えます。
新しい給付金制度に新しい林代表幹事の元良い方向に進む事を望みます。


以下 記録MEMOです。

1月23日(日)『全国犯罪被害者の会(あすの会)第11回総会・シンポジウム』に出席をしてきました。
冒頭、会に支援をされたみなさんへの表彰式があり、全国犯罪被害者の会を 支援するフォーラムの発起人のお一人であります石原都知事は挨拶の中で、「岡村代表からはじめて聞いた『犯罪被害者の日本での虐待』にショックを受けた。
日本の法律は、権利ばかり主張しているが肝心な『義務』を記していない。
被害者が弱者としてしかいられない社会を変えていく必要を大きく感じる。』話されました。

夏樹静子氏の講演では、作家として様々な加害者・被害者のおかれた立場を理解して書いて来たつもりであったが、岡村氏の2000年7月号寄稿「私は見た『犯罪被害者』の地獄絵」を読み、特に被害者については理解や認識の少なさを実感したと言われました。

その後の「新しい犯罪被害者補償制度」と題し常盤大学大学院被害者学研究科兼任講師の高橋正人先生のコーディネーションで、パネルディスカッション(以下PD)が開催されました。
PDは、現状の犯罪被害者給付制度についての論点を
問題1 見舞金的な位置づけ(H20改正・・・自賠責並み 2400万円 but 平均給付額1200万円)

問題2 早期の援助だけで、その後の援助がない。被害前の平穏な生活にはほど遠い。

問題3 過去にさかのぼって給付しよう、という考えがない。

問題4 給付を受けると生活保護が受けとれない!
の4つの論点をテーマに、新しい給付制度を抜本的に考え直す必要性をディスカッションしました。

PDでは、被害体験者の大崎氏・海老沼氏・林氏・匿名の被害者の4名から、被害事件の状況と補償制度の低さの現状が語られました。
大崎氏からは、親族間の犯罪という理由だけで給付も受けられない現状が、匿名の方からは、重い後遺症に対しての医療費やリハビリ費用の補償はまったくなく、民事裁判で1億2千万円の判決が出たが、加害者からは一銭も支払われず、国の一時立替え等の制度ができないかと訴えました。海老沼氏からは、事件にあったことによる妻の介護費用並びに自宅の介護用の改築費用について、犯罪が原因による介護は介護保険が対象外である現状が、林氏からは重度障害の奥様の介護が16年経過し、借金のローンがまだ12年、それを被害にあったとこで我が子にまで残す事の無念さを語られました。

(問題点1)
「国の補償」「社会の支援」「司法の改革」というSTEPを考えると日本は「国の補償」が極端に遅れている。アメリカが国民一人当たり数百円という被害者に対しての掲載的国の補償金額、日本ではわずか5円である事を指摘された。

驚く事は、犯罪被害にあわれたことによる医療関係費・・・治療費/付き添う費/介護費/リハビリ/カウンセリング/病院への交通費/付き添うベット等、全て自己負担であり、給付の対象にもなっていない驚くべき点も報告された。

ドイツでは、犯罪被害にあうという事は、国が社会から国民を守れなかったという理由で、社会保障制度がカバーされている。

(問題点2)
日本での給付は、犯罪被害後の早期に限っているのに対して、ドイツでは、収入減少に対して差額を年金で埋める制度もあり、犯罪被害の収入減によるマイナス要因と治療費等のプラス要因を、事件前/事件後の差額を保障する制度の重要性の指摘がありました。

(問題点3)
事件がいつ起きたかで適用することの無意味さ、つまり、今!困っている人に適用されなければ給付の意味がなく、過去にさかのぼる所謂「遡及適用」が重要と意見がありました。

(問題点4)
給付金が支給されると生活保護もカットされるという社会の矛盾。
驚く事は、『加害者と被害者に密接な関係があった場合は、減額または支給しない事があるという通達!』・・・これ以外に犯罪がおきる場面がありますか?
つまり、給付制度は減額されるように適用される法律である。

犯罪被害者は、給付の恩恵の対象者ではありません。再び、元の生活に少しでも戻る期間をうめる法律であってほしいと思います。
犯罪被害者は、お金を恵んでもらう事を望んでいるのではなく、被害者の権利に基づく給付であるべきという、高橋先生の言葉にはまったく、共感します。